こんにちは!
GrowVaLスタッフです。
今回は前回に引き続き、
「これからの教育で問われる、”社会と関わる意欲・力”と大学入試」というトピックを取り上げます。
前半の記事はこちら
(防災に関する情報を配信するボランティア活動を行っていた生徒さんの事例)
本日のテーマ
留学で出会った○○によりアパレル業界を変えたい!
という強い志を持ち、現在は慶應SFCで学んでいる学生さんの事例をお伝えします。
【 Mさんプロフィール】
●学年:現在大学2年生
●高校:関西地域 国立高校卒
●大学:慶應大学SFC 環境情報学部
●探究テーマ:環境に配慮した洋服の在り方
さて、まずは冒頭に記述した、留学で出会った○○とは??
いったい何だったのでしょうか。
[人生を変えた留学でのきっかけ]
ファッションデザイナーに憧れ、英国のセントラル・セント・マーチンズへ留学をしていた高校2年生のサマースクール。
しかし、そこではサマースクールでの学び以上に印象に残る出来事がありました。
留学中にもっとも印象に残ったこととして彼が語ってくれたことは
「デモ活動を目の当たりにしたこと」でした。
留学中のある日、通学途中に遭遇したデモ活動を通じて、
ハッとした出来事だったと彼は振り返っています。
デモ活動の内容は
「早いトレンドで洋服を買うのは駄目だ!!」というもの。
世界的にファストファッションの流行がありましたが、使い捨てサイクルに対しての抗議活動を目の前で見たことから、自分も安い服を買っていたことに気づかされたと語っています。
[自身の夢に対して抱いた疑問]
自分が憧れていたファッション業界が、
実は環境に悪い影響を与えているのでは?
このまま自分もファッションデザイナーを目指して良いのか?
という自身への問を考えるきっかけとなりました。
[調査と検証]
帰国後、ファッションと環境問題について調査することを決意。
知っているあらゆるアパレルブランドに電話で問い合わせをし、「環境問題に対しての取り組み」を調査を開始しました。
しかし、答えてくれたのは、パタゴニア社の1社のみ。
パタゴニアの担当者はとても親身に対応して下さったようで、数時間にもおよぶインタビューをさせてもらえたとのこと。
その時のインタビューを通して、
多くの生地で使われているポリエステルの生地を洗濯することで、
マイクロプラスチックが海に流れている問題を知ることとなりました。
人間は1週間でクレジットカード1枚分のプラスチックを体内に取り入れていると言われている。
詳しくはこちら
※参照記事:AFP BB Newsより
事実を知ってから、思考錯誤し、洗わなくても良い繊維はないのか?
そして、繊維を作るときに環境に負荷を与えていけないものはないのか?という新たな問がうまれた。
同じくして、TEDトークを見て、微生物を使って洋服を作るという新たな研究を知り、
自身の問に対しての答えを見つけるために、調査・研究として家の屋根裏部屋で菌を使って実験を開始。
その結果、メリノウールが該当するのではないか?と分かった。
[事実を実証と社会へ広げる]
メリノウールが該当する仮説はたったものの、
やはり家の屋根裏では本当の実証ができない。
また、その生地を社会に広げる方法もわからない。
だから、大学で学びたい!と考え、大学探しへ。
大学探しの軸は以下
・大学で微生物を使って、洗わなくてよい洋服を作ってみたい
・洋服をどう売っていくか?ビジネスを学びたい
・デザインを学びたい
そして
微生物×ビジネス×デザインを総合的に学ぶことができるのは、
慶應大学SFC 環境情報学部SFCだけだった。
しかし、受験勉強では間に合わないと考え、
今までの自分の活動を利用した総合型選抜入試で受験することを決意。
そして、
無事に合格をし、現在は自分の志を実現するために大学に通いながら起業し環境に配慮したファッションを広める活動も行っています。
慶應SFCに合格するために行った内容については、いずれ記事にてお伝えしたいと思います。
[今回のまとめ]
・留学先のロンドンでのファストファッションのデモにより「社会と関わる意欲・力」がうまれた
・また、日本ではこのようなデモはないので、日本にいたらうまれなかったかもしれない。
・現在の日本は、社会と関わる「環境」が少ないが、多くの世界の国々では「社会と関わる」環境がある。
・きっかけを国内のみで探すことは難しいので、留学も重要な選択肢に1つ。
・アパレル業界への調査や洗わなくても良い生地を実験すること(個人での探究活動)により志は育まれた
・デザイナーになりたい、デモと出会うきっかけから生地を探す探究活動したことを総合型選抜で活用すれば進路を切り開くことができる
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